ブログ・エッセイ


今治、ホテル、JRクレメントイン今治、今治市河野美術館、予讃線、各駅停車、観音寺、神恵院、琴弾八幡宮

今治では、かねて予約しておいた駅前のホテルに投宿だ。ホテルの予約など、わたしはいつもホテルの公式ホームページから予約する。中間のネット予約サイトがどうも好きではない。泊まったホテルはJRクレメントイン今治、公式ホームページに「最安値保証」とあったので心強い。
ネットの予約や注文もあまり得意でない。孫に本やおもちゃをネットで注文しようと画面をみて慎重に検討していると、それがほしい孫たちは、「じいちゃんじいちゃん、思い切って押して、クリックして」と催促する。ネットが不得意なうえに優柔不断だからだめだ。
それはともかく、ネットでJRクレメントイン今治の、部屋がちょっと広めだった「ユニバーサルルーム 1F 2室のみ」を予約した。ホテルで1階の部屋に泊まるのは初めてだったが、部屋の広さと価格に惹かれて予約した。
今治港で下船して、ちょっと遠回りになるが今治城の周辺を歩いて、今治市出身の実業家河野信一が絵画・文物と約2億円を寄附して建てたという今治市河野美術館の前を通ってホテルに着いた。このホテル、数年前に建てられたのだが、しまなみ街道を自転車で回る利用者もよく泊まるようで、なかなか合理的にできていた。感想をいくつか書き記しておく。
1.わたしたちの泊まった一階の「ユニバーサルルーム」、これは、じつは老人や障がいを持った人のための部屋のようで、バス・トイレが広い。浴室には椅子も置いてあり便座には背もたれもある。部屋に入ったときにはちょっと違和感もあったが、わたしたちとて十分に老人であり、部屋も広くてくつろげた。
2.チェックインの際に、宿泊費の支払いとルームカードの受け取りは機械操作でおこなう。ツインの場合カードは2枚でも可能らしい。いうまでもなくスタッフに手助けしてもらって無事済ませた。これでは省力化にはならないな。
3.島でもそうだったが、ここ今治でも日曜休業が多くて困った。おいしい魚をと思ってそれも楽しみにして出かけたのだが、開いている店は少なく、だんだんと、ともあれ何とか夕食にありつければよいか、と弱気になる。ホテルのスタッフに聞いてみて、日曜にやってる店のリストをもらったが、よさそうな店はみな遠い。こんなことなら、港からホテルに向かう途中の、ちょっとおいしそうな店で食べて飲んだらよかった。でも荷物をもっているし、お酒を飲んで歩くのも大儀だしな。
4.困っているとスタッフが、ここのラウンジ、ワイン・お酒・ソフトドリンクは無料サービスです、食べ物を持ち込まれる人もいるし、配達ピザなどもOKですと、ピザ屋の注文リストを見せてくれる。今治まできて夕食が宅配ピザかと思ったが、まあ無料のワインもあるし、ピザとポテトとチキンナゲットとサラダを注文して部屋で待った。
5. 30分ほどして携帯が鳴ってピザ到着。いささか気恥ずかしいが、ラウンジでピザを広げて、無料のワインなどをいただく。けっこうおいしいワインだった。
6. いささか気後れしてワインとピザなどを食べていたら隣の年配男性二人連れ、しまなみ海道のサイクリングのお客さんだが、それで正解ですよと親指を立てて励ましてくれる。よかった。
7. すこし余ったものは部屋に持って帰った。こんな時、一階の「ユニバーサルルーム」なる部屋はすこぶる便利だ。うまくいった。
と、そんなこんなで、ホテルの一階の部屋に泊まったのも、持ち込み食料でワインやお酒、フリードリンクで夕食を済ませたのも初めての経験だった。なかなか考えられたシステムで、感心した。
二日目、いつもながら朝早く目が覚めたわたしは、5時半ごろ部屋を出て今治の街を歩いてみる。駅前の地図で見ると、朝食までに帰って来られそうな距離の、高野山今治別院・南光坊・黒住教今治大教会所・別宮大山祇神社に参拝参詣した。町は戦災に遭ったことから通りも広くて並木もきれいだった。
朝食は、昨夕にフリードリンクでピザを食べたラウンジだった。シンプルながらもおいし朝食だった。

帰路、観音寺観光
ここから帰路はまず9時発の予讃線普通列車で観音寺駅まで行く。この普通列車も楽しみの一つだ。よく空いていたが、運転席の横でかぶりついて車窓を眺める。
観音寺駅で下車して観光案内所で案内図をもらい、要を得た説明を受けて、観音寺・神恵院および琴弾八幡宮まで歩いて参拝。下山して昼食にうどんを食べて、暑いなか観音寺駅まで戻った。この帰路がいささかハードだったようで、奥方が不調を訴え、やむなく坂出駅で乗り換えのおりに一本遅らせて岡山へ。岡山では路面電車に乗るのもこの旅程の楽しみのひとつだったがこれを断念して新幹線で一路新大阪へ。
新大阪で下車、夕食時だが食事をする元気もなく、駅弁を買って帰宅とあいなった。おおさか東線で放出、そこから学研都市線で大住着。このおおさか東線は新大阪止まりだったが、つい最近大阪駅に地下ホームができて随分便利になった。随分便利になるということは乗客数も増えて混むということでもある。わたしたちが乗った列車は大和路線直通の奈良行きで、ちょうど通勤時間にかかって満員だった。当初の予定では岡山で夕食をすませてラッシュのあとに帰る予定であったが、やむなく予定を変更したのでこのようになってしまった。
ともあれ帰宅して、新大阪駅で買った駅弁とビールで一息ついた。今治のピザと言い、駅弁購入帰宅といい、いささかハプニングの旅程だったが、生名島の三秀園、岩城島の「師道顕揚之碑」、名前の残った研修施設「知新館」と、所期の目的を果たすことができ、想定以上の成果があった旅行となった。 2023年6月27日