書屋主

簡単な自己紹介

25歳から25年間、大阪府立図書館の司書をした。縁があり平成10(1998)年京都文化短期大学の教員に転職、2年後に再編された京都学園大学、平成16(2004)年には京都ノートルダム女子大学に移った。平成25(2013)年3月定年退職となり翌年名誉教授、いまは二つの大学で非常勤講師をしている。
25年の間、大阪府立図書館の司書という仕事をやってきたのだが、その司書という仕事は、性に合っていて、自分なりに気に入って勤めてきたような気がする。二度ほど辞めたい、と思ったこともあったが、それでもなんとか乗り越えて25年のあいだ図書館司書としてやってくることができた。それも、上司や同僚に恵まれたこと、府立図書館の蔵書が充実していてまたその蔵書との相性もよかったことなどが思いあたるが、要するにわたしは図書館が好きだったのだ、ということなのだろう。
図書館時代には、日々の仕事をこなしていくことのほかに、図書館に集積された蔵書のこと、その由来・来歴などについて調べたり書いたりしてきた。とりわけ、府立図書館にも多く所蔵されていた戦前期満洲や満鉄図書館の蔵書や目録、その図書館の活動に関心を持ち、また江戸時代を含めた日本での読書の手立てということなど考えまた論述したりした。これらわたしの「仕事」の根っ子にあるのは、やはり、書物やそれを扱っている図書館、それにまつわる来歴や由来、顛末などなどへの思い入れであろうかなと考えている。
大学では、司書資格取得のための科目や出版文化関係の科目を持ち、大学院科目や特別演習も担当した。また司書の時代、図書館の実務のほかに、紀要や館報の編輯、資料展示などの仕事もしたが、そこで培った体験や手法をもとにして、京都ノートルダム女子大学では、京都の史蹟ツアーや墓参(掃苔)などのフィールドワークを実施しそれらの活動についての展示やブックレットの刊行も実現することができた。
大学を退職した現在も、研究も持続させていきたいと考えているが、とりわけ満洲を含む外地の図書館や図書館員の活動、またわが国東洋学者の事績などについて、研究という制度にとらわれることなく、考えたり書いたりしていきたいと考えている。
(2015年8月1日)

略歴
略歴
昭和22年6月 広島県三原市に生まれる 現在は京田辺市に在住
昭和48年3月 京都大学法学部卒業
             4月 大阪府立図書館勤務(現在の大阪府立中之島図書館勤務)
昭和56年4月 大阪府立夕陽丘図書館に異動。
昭和58年5月 大阪社会運動研究会 渡部徹班に参加
昭和63年4月 大阪府立夕陽丘図書館整理課目録係主査
             4月 京都大学人文科学研究所共同研究員として共同研究会「一九世紀の文明史的研究」に参加
平成元年 4月 国際日本文化研究センター共同研究員として共同研究会「世界における日本研究の知識社会学的研究」に参加
平成4年 4月 国際仏教大学非常勤講師として司書教諭課程科目「学校図書館の管理と運用」「学校図書館の利用指導」「児童生徒の読書活動」を担当
平成8年 4月 大阪府立中之島図書館大阪資料課課長
平成10年3月 大阪府立中之島図書館を退職(最終職名は大阪資料課課長)
平成10年4月 京都文化短期大学文化学科教授。図書館司書課程科目、出版文化論を担当
平成10年8月 大学設置・学校法人審議会教員組織審査に合格
平成12年4月 京都学園大学人間文化学部教授(出版文化論、図書館概論、情報サービス概説)
平成13年9月 大学設置・学校法人審議会教員組織審査でM○判定
平成14年4月 京都学園大学人間文化研究科教授(図書館文化情報特論ⅠⅡ)
平成16年4月 京都ノートルダム女子大学人間文化学部教授(平成25年3月まで)
平成16年9月 大学設置・学校法人審議会教員組織審査にM○判定
平成17年 4月 京都ノートルダム女子大学人間文化研究科教授「出版文化特論」「特別演習」(平成25年3月まで)
平成18年3月 「日満文化協会の歴史-草創期を中心に」により、総合大学院大学から学術博士(総研大第153号)
平成25年3月 京都ノートルダム女子大学を定年退職
平成26月6日 京都ノートルダム女子大学名誉教授
現在 奈良大学 非常勤講師
社会における活動等

文部科学省科学研究費助成(研究代表者の研究のみ)
平成13年4月から4年間 特定領域研究A-2 「日本支配下中国・満洲における出版文化の諸相」
平成18年4月から3年間 基盤研究C「戦前期中国東北部刊行日本語資料の書誌的研究」
平成21年4月から3年間 基盤研究C)「戦前期外地で活動した図書館員についての総合研究」