ブログ・エッセイ


電動アシスト自転車で国立国会図書館関西館に行く

コロナウイルスの影響でなかなか外出がままならない。最近になり、少し安定してきたようでもあるので、国立国会図書館関西館に出かけることとした。わたしの家から関西館までは、約15キロほどだろうか、比較的安全な道なので、以前は車で出かけていた。車だったら20分ほどだろうか。
先に書いたように。この三月で車はやめている。ならば電動アシストの自転車で行ってみようと勇躍出かけてみた。じつは近くの自転車屋さんで電動アシストを買うときに、「この自転車で祝園駅の少し奥にある国立国会図書館まで行けますか?」と聞いてみた。わたしとしては、関西館での調べものに出かけるというのは必要なことだったし、これぐらいがバッテリー走行距離の限度かと思っていたからである。
ところで、わたしの調べものや読書をする場合の資料入手の、いわば優先順位は次のようなものだ。
京田辺市立図書館>(非常勤先)奈良大学図書館>京都府立図書館から取り寄せ>関西館
もちろん、国会図書館にデジタル資料が公開されていればそれを家の端末から見る。ただ、国会図書館の資料でも「国立国会図書館内/図書館送信」と、送信館でしか見られないものも数多い。著作権の保護期間内とか、著作権の確認が済んでいない資料ということのようだ。
非常勤先の奈良大学はまだ送信館への名乗りを上げていない。京都府内の図書館でもまだまだ導入館は少ない。大阪府など、かなり多くの公共図書館が導入しているのだが、やはりこれは、はっきり申し上げて、その図書館現場の司書の意識の問題、そして現場の声が上層部に通るかどうかという職場の「風通しの良し悪し」と、現場の力の問題だと思う。国会図書館が公表している「図書館向けデジタル化資料送信サービス参加館一覧(2020年6月1日現在)」をみているが、そうした実状がよくわかる。もちろんこの一件だけで判断するわけにはいかないが、大学図書館でも公共図書館でも、この件でも、その力量の一端がうかがい知れると思う。
余計な話になった。こうしてわたしは、昨日電動アシストの自転車で関西館まで出かけたのである。ゆっくり走ったこともあるが、片道一時間弱かかった。確認したい資料を持っていって荷物が重かったこと、走っていてかぶっていった帽子が飛んでしまい拾いに戻ったことなど、時間がかかった要因はいくつもあるが、ともかくゆっくりしか走れないというのが一番の原因だ。
国会図書館に着いて、端末の前でパスワードを入れて、検索画面に入いろうとしたのだが、これが毎度うまくいかない。いつの時期からだったか、入力パスワードが大文字になってトラブり、以後気を付けて大文字で入力した。ところが国会図書館のこの端末の入力では、大文字で入力しているか小文字の入力なのかが画面で確認できない仕組みになっている。あてずっぽで、つまり大文字シフトにしているつもりで入力する以外にない。なんという不便さ。
こうして画面に入るのに失敗してしまい、10分間の待機を2度ほど繰り返し、カウンターに来なさいとの画面の指示だ。カウンターに出向いて、パスワードの再発行をしてもらってそれでやっと検索画面に入った。
職員に聞いてみると、今の端末の仕様は、大文字小文字の区別は問わなくなっているという話だった。そして今では、パスワードは、ローマ字と数字の混在が必須であるとかいわれた。なぜ画面に入れなかったのか、それが原因であったのかどうか、結局よく分からないままに30分ほどロスをしてしまった。
まあそれでも、資料が見られるということは、有難いことだ。関西館の開架に出ている資料や書庫の資料をみて複写、そして「国立国会図書館内/図書館送信」の資料をいくつか見て、複写。こうしてともあれ、所期の目的は達した。
9時過ぎに家を出て、一時間ほどかけて関西館に到着、パスワードで30分ほど浪費して、閲覧と複写に三時間。館内では、コロナウイルスのこともあり「できるだけ滞在は短時間に」と繰り返し放送があるのだが、近くの公共図書館のように、本を借りてすぐ帰るというわけにもいかず、結局家に帰りついたのが午後三時前、ようやく昼食にありついた。
色々めんどうもあったが、それでも資料調べは愉しい。
(2020年6月18日 記)