ブログ・エッセイ


水沢の高野長英、後藤新平記念館

5月10日、盛岡に宿泊して角館をあるいたことは先般書いた。
その翌日の5月11日には、仙台空港から夕刻の便で伊丹に帰る予定をしていたので、盛岡から移動して水沢を訪れてみた。水沢には、幕末の蘭学者高野長英、台湾や満洲で仕事をした後藤新平、それに総理大臣を務めてのちの二・二六事件で殺された齋藤實らの記念館がある。
シーボルト事件や蛮社の獄の高野長英は以前から興味を持っていたし、後藤新平は台湾総督府民政長官、満鉄初代総裁を務めたことから、この二館を訪問することとした。
高野長英の記念館は、地元の小学生らも社会見学で訪問するとあって、展示も成人用・子ども用と混然としていたが、その生涯を再確認することもできて楽しいものだった。あいにくの雨だったが、公園も季節の花が咲いていて、よい訪問となった。
その後、少し歩いて高野長英、後藤新平の旧宅を廻り、後藤新平記念館に行ってみた。二階まであってなかなか立派なものだった。生い立ちからはじまり台湾・満洲といった外地関連のものを中心に見てまわったのだが、一階のソファで、地域のひとであろうか、記念館の関係者であろうか、大きな声で話をしていたのには、いささか閉口した。記念館でもあり観覧者もいて展示説明を読んだりもしているのだから…。なんだか記念館の値打ちが下がってしまう気がする。余計なことだが、こうした観光事業に力を入れているのだから、もう少し気を配ってもよいかなと思ってしまった。 
  2016年6月11日記