ブログ・エッセイ
蝶々、てふてふ、韃靼海峡、乱舞、菜園、キャベツ、ブロッコリー、
まだ寒い時期だったと思うが、キャベツの苗を4本ばかり刈ってきて、菜園に植えこんだ。そして、そうか今種まきをしたらよいのかと気づいて、家にあったキャベツとブロッコリーの種を、ポットに蒔き、ビニールカバーをして簡易温室にして育苗した。うまく発芽したので、3月ぐらいだっただろうか、菜園の畑に移植した。そしてそれが立派に育ち、収穫までに至った。
ただし、購入した苗はわりにきれいに結球して、食べるには十分の大きさになって収穫に至ったのだが、自作の苗はそうもいかなかった。育苗したキャベツとブロッコリー、そん色なく生育してはくれたのだが、キャベツは、巻き始めてから青虫の食べ放題。わたしからすれば、食べられ放題。二時間限定、とかではなく、一日中、食べ放題。ブロッコリーはというと、いちおう花芽がついて立派に見えるが、花芽は黄色く、幼虫が、ぞろぞろぞろぞろ。ゆでると、今まで見えなかった幼虫が、ぷかぷかぷかぷか。そんなブロッコリー、ゆでてもおいしくないから、塩コショウで炒めて食べている。
そしてわが畑は、といえば、モンシロチョウが乱舞している。キャベツとブロッコリーについた青虫らが蝶になったのであろうな。40坪ほどの菜園では、50匹はいようか、いや100匹はいるかもしれない。そんな蝶々、畑の上を楽しそうに飛び回っている。わが畑では、薬もかけない、虫取りもさぼっていてやらない。とくれば、青虫らにとって、我が菜園は楽園、天国であろう。これでわたしの畑が、地球の生態系の維持に寄与しているかどうかはさておき、すくなくとも、モンシロチョウにとっては住み心地、居心地は良かろうぞ。
そういえば、ちょうちょが海を渡っていく句があったな。
「てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った」だった。安西冬衛の作だ。
それにならってわたしも畑で吟行。
「てふてふが菜園のうえを飽きずに乱舞」
「百匹のてふてふ菜園で乱れ飛び」
これでは安西にははるかに及ばないな。韃靼海峡と我が菜園の天地ほどの隔たりだな。
2025年年6月15日
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