ブログ・エッセイ


三連、お焼き、人参葉、ニラ、大根葉、老人、タンパク質、朝タン

今日は奥方、絵の会で遅くなるという。晩ご飯はひとりなので、「ひとり鉄板」でもするかな。
「鉄板」といっても、両親が遺した簡単なIHコンロを食卓に置き、それにIHで使えるフライパンを乗せての簡略版お焼き鉄板である。
畑でとってきた人参の葉っぱと、ニラ、それに大根葉のじくの部分を細かく刻んで小麦粉に、ちりめんじゃこやアミを入れ、カテージチーズを作ったときに出たホエーで溶いて焼くだけだ。人参や大根の葉っぱは捨てたりする部分だが、このお焼きは結構おいしいし、栄養もあるから好んで作る。三連お焼きというわけだ。
いそいそと食材をテーブルに運んでIHとフライパンを設置し、ジャズでも聴きながらワインでも飲もうか、とステレオをつけたところで奥方から連絡が入った。夜に会う予定だった友だちの都合が悪くなったので、晩ご飯は帰宅して食べるって。
おお、これは大変‼
わたし一人ならば、三連お焼きだけでもよいのだが、奥方が食べるとなるとそうはいくまい。いそいで冷凍庫の豚肉薄切りを解凍する。これはまとめて買っておいて約100グラムずつに小分けしたものだ。そして、畑で獲ってきた空心菜とでニンニク炒めをすることにした。
わたしは菜食主義というわけではないが野菜ばかりでもよいというタイプ。だが奥方は、「老人はたんぱく質が必要だ、とりわけ朝食にはタンパク質、朝タンだ」、と結構うるさい。まあそれも一理あるのだが、かくも「朝タン、朝タン」と言われるといささか面倒になる。朝食の用意は、朝早く起きるわたしの役回りになっているから。
ともあれ、三連お焼きと、空心菜豚肉炒め、それに合わせてジャガイモも焼くことにした。奥方も帰宅して、「三連お焼き鉄板大会」は、にぎやかに、なごやかに、めでたく無事に終えたのであった。 2024年11月8日 記