ブログ・エッセイ
家庭菜園、畑、大根葉虫、白菜、割りばし、虫取り、液肥
わが家庭菜園、事情で仲間の畑地も耕すことになり、そちらにかまけているうちに、わが畑の白菜、早やくもスカスカレースになってしまっていた。いそいで数日前から割りばし片手に虫取り大作戦。
畑地に農薬を置いたら効果があるよとか、農薬は葉に触れないから大丈夫だよとか、人はあれこれと教えてくれるけれど、やはり農薬は使わないという頑なな主義を通しているので、割りばし右手に、左手に豆腐のプラ入れ物に水。そしてひたすらに葉虫を摘まむ。白内障が進んできて、よくは見えない眼を凝らして摘まむ。
頑張るのだが際限がない。3苗ほどすませて、豆腐プラをみると葉虫で黒くなっている。
わが畑わが領土では、葉虫といえども「死刑廃止制度」が貫かれている。したがって、捕獲したのが、憎っくき葉虫と言えど、重罪でも遠流また畑からの追放という刑罰である。この領主の温情につけ込んで、というわけでもあるまいが、人情味あふれる我が菜園に、大根葉虫は千客万来。
捕獲すれども際限ない、そしてこのレース白菜、早や手遅れか、見るも無残な状態になっている。だがまてよ、まだ芯の部分が青いぞ、頑張れば盛り返せるのではないか、あきらめるのは早いのではないか。
それでもやはり、虫取り大作戦は結構しんどい。ならば次なる一手は、液肥をどんどん注ぎ込むことだ。虫が葉っぱを食べるスピードよりも、成長する速度をあげればよいのではないか。そう考えて、水に油粕を入れて一ヶ月ほど発酵させた液肥を使用するのだが、今の季節が液肥の「活躍期」なので、作ってもすぐになくなる、やむなく数日前に油粕を入れたものまで使うという体たらくだ。
虫取りもしんどい、液肥で「支援」も液肥の発酵不足だ。どうしたらよいか。やむを得ない。がんばれ、と応援するほかない。声を振り絞って、ここが踏ん張りどころだ、がんばれ。そのように畑で叫ぶ。いささかむなしいのだが、そのように空しく叫ぶ。まことに進退ここに谷(きわ)まれり、という事態になってしまった。
今年の鍋は白菜の入らない鍋かなあ。 2024年10月31日 記