ブログ・エッセイ


頭位性めまい、水曜休診、脳神経外科、ストレス

頭位性めまい
10月23日水曜日の朝、6時半ごろ目覚めてトイレに行こうとしたのだが、目の前がぐらぐらして立てない。動くにもしんどくて、5メートルほどの距離のトイレに這ってなんとか到達して用を足し、布団にもどって倒れ込んだ。頭も痛いし目の前がぐらぐらするし吐き気もするし呼吸も荒くなってきた。
脳梗塞を疑ったが、起きてもらった奥方と話をしてもまず話せるし、ぐーぱーも大丈夫そうだ。救急車を呼ぶか、しばらく様子を見るか。これがいつも難しい。人は、ためらいなく救急車を、というが、やはりためらう。
いろいろ考えを巡らせてみる。そういえば、6か月ほど前の奥方のめまいと症状がよく似ている。その時も、救急車か様子を見るか医者か、迷った。9時になり、めまいだということで、近くの耳鼻咽喉科に行こうと思ったが、歩くこともできず、もう少し布団で様子を見る。
10時半ごろ少し動けるようになってから、耳鼻咽喉科に出かけた。歩いて2分ほどの距離だから助かる。先生の見立ては、「良性発作性頭位めまい症」。薬をもらって、めまいは収まり、2,3日で日常生活に戻ることができた。
今回のわたしも症状はよく似ている。2時間ぐらいウンウンうなって、嘔吐して、10時すぎにには少しは歩けるようになった。いちおう医者に言っておこうかと考えたのだが、本日は水曜日、近所の医者は軒並み休診だ。どういうことなのだ!その昔、水曜日には医者どおしの会議や研究会があるとか、校医の仕事があるとか聞いたこともあるが、今もそうか。何とかならないものだろうか。何せいっせいだもんなあ。
そういえば今年の夏のある金曜日、体中がかゆくて我慢できず皮膚科で見てもらおうとして連絡したら、「当院は予約制で本日予約されたら診察は来週火曜日です」と言われたことがある。何ということだ、つらいのは今だ‼と腹の立ったことがあった。
仕方なく10時半ごろ市内の綜合病院に連絡して、総合内科で診てもらうことにし、タクシーを呼んで出かけた。奥方にも同伴願った。
幸いあまり待つこともなく診察。出かける前に作ったメモを手に、症状を訴える。先生曰く、MRIは予約制なのですぐに撮れない、CTなら撮れるから、というで、CTを撮ってもらい、脳神経外科で結果を聞くことになった。
脳神経外科で少し待って医師の先生から所見を聞く。この時もメモを片手に症状を訴える。先生の見立てでは、大きな出血などはみられない、だがMRIではないから毛細血管の状態はわからないが、まあ大丈夫でしょうとのことであった。
この脳神経外科の先生、その所見を、どうみても後ろに立っている奥方向かって話をしている。患者のわたしはメモをみて、しっかり話をしているつもりなのに、後期高齢者のわたし、どうも信用されていないみたいである。
いろいろと注意事項を聞く。注意事項といっても、規則正しい生活、ストレスを溜めない、適度な運動、バランスの取れた食事、といったところだが、それらももっぱら奥方を相手に話をしている。話がおわってわたしが最後に、家庭菜園をやっているのですが、明日から普通にやっていいでしょうか?と聞くと、どうぞやってくださいとの答え。続いて、おずおずと、夜に少しですがお酒を飲んでいるのですがこれはいかかでしょうか?と聞くと、どうぞどうぞ、どんどんやってくださいと。
うーーん。「どうぞ、どんどんやってください」か。まず良識ある後期高齢老人に見えたのであろうか、温厚というか軟弱な普通の老人患者だと見て取って、無茶はしないだろうと踏んでのことか、確かにそのようにお答えになった。ありがたい仰せではある。ふつうの生活を送ったらよいと言ってくださっている
そして家に帰って、もう一度よくよく考えてみる。この先生の仰せ、どうも、年寄りでもあり、好きにしたらよいでしょう、と趣旨はそういうことなんだろうな。
ともあれ、次の日に畑へ行ってみた。歩くと負担が大きいかと思い、自転車で出かけた。娘には、「大事をとって今日は自転車で畑に出かけてみた」とラインで報告したら、「自転車なんか危ないじゃないか」と叱られてしまった。そうか急にめまいがきたら自転車だと危ないってわけか。
お酒に関しては、当日と翌日は控えて、金曜に少しワインを飲んでみた。大丈夫そうではある。娘に叱られたとはいえ、大事をとって翌日には自転車で出かけ、お酒も当日翌日は控えるところなど、気弱で軟弱な老人ではある。
病院の脳神経外科の先生の、お好きにしたらいいでしょう、どんどんやってください、というのも、わたしの性格などを見抜いてのご忠言であったというわけだったのだ。
ともあれ、普通の生活に戻ったようでありがたいことだ。もう大ラスに来ているわけだから、好きにやっていこう。軟弱に温厚に普通に。 2024年10月28日 記