ブログ・エッセイ


畑、野菜、大根、大根葉

畑、野菜、大根、大根葉
奥方からあまり褒められることのない家庭菜園の作物だが、先般、大根葉を湯がいて梅干し・おかか・しょうゆを混ぜたものを作ったら、「これは美味しい」とお褒めの言葉をいただいた。大根葉が柔らかくておいしいと。そして何でみんなはこんなおいしくて栄養のある大根葉を食べないのであろうか、とも。
うんうん、それはだな、わたしの大根が大きくなれずに、いつまでも「間引き的な」大根であるからなのだよ。だから、大根はまだまだ若くて柔らかい代わりに、ほら、大根はこんなに小さいだろ。
世間に流通している大根、店先で見たりすると、「おお、これが世に言う大根というものか」と驚きを禁じ得ない。だが、そんな立派な大根も、おそらく葉っぱの方も立派に茂っていて、かたくて大きいものになってしまっているというわけなのだ。
一方、わたしの菜園の大根は、なかなか大きくならない。なぜかと言うと、時期に合わせて晩夏・初秋に種まきすると、芽が出ても虫に食われて、枯れるかまたは成長が悪いものだから、しかたなく、少し涼しくなりかけたころに種まきする。そうすると、大根の芽は、虫の猛攻撃から免れはするものの、種まきの時機を逸しているから、大きくならない大きくなれない、というわけなのだ。農薬を使わないでやっているから、しかたないのだ。それでいいのだ。
そんなことから、「大根は、葉っぱをおいしく食べるために、小さく仕立てて作っているのだ」と、負け惜しみながら、公言してはばからないのである。 2024年2月8日 記