ブログ・エッセイ


NEW!! 畑の作物、冬野菜、副菜、居酒屋カウンターに並ぶ鯛の子

3人でやってる畑もだんだんしんどくなり、とりあえずまだ体が動く間に農具小屋の撤去だけでもやっておこういうことで、1月半ばにはおおむね解体作業をすませた。
こうして、畑からの撤退の準備が整い、退去が時間の問題になってからのこと、まったく皮肉なことなのだが、冬野菜など、わりによく収穫ができるようになった。例えば、大根や白菜・山東菜、それにキャベツやブロッコリー・カリフラワーなどがそうだ。それもこれも、種や苗が腕を上げたからに違いない。わたしのやり方におおきな変化も改善もないから、種や苗の品種改良のおかげでの、増収につながったということなのだろう。そして、これら畑の野菜の処理は、主として生産者たるわたしの任務となるから、これらの野菜は、ちょこちょこと我が家の副菜として食卓に並ぶ。
ところでわたしは、居酒屋に飲みに行ったりしたときによくカウンターに並んであるような、調理された食材、たとえば鯛の子やひじきの煮たの、豆もやしのお浸しなど大皿に盛られてあるものが好きで、我が家の夕食の食卓でもそのようにしたいと常々思ってきた。
「おっちゃん、まずは、鯛の子と豆もやしちょうだい」と言ってみたいのだ。
わが畑の野菜は、こんな居酒屋のようにはいかない。ヤーコンと大根の焼き浸し、白菜の炊いたん、大根葉と梅干・鰹節の混ぜ合わせ、山東菜のベーコン炒め、大根の甘酢漬け、菜の花の鰹節とポン酢合えなどなど、これでもかと言わんばかりに豊富で多種多様である。いや多種多様とは言い難く、同じ材料の似たような調理食材ではある。
そして、これらが小さなタッパーに詰められて、毎夕の食卓に並ぶ。「おっちゃん、山東菜の炒めたのと白菜の煮たのちょうだい」と注文して、「へい、おまちどうさん」と、自分で注文して、自分で盛り付けて自分で食卓に出して晩酌をするのである。鯛の子やひじきというわけにはまいらない。おおむね葉っぱ物の煮びたしたものばかりで、だんだん飽きてくるが、それでも晩酌のあてにならないわけではない。。
しかしながら奥方などは容赦なく、「また白菜の煮たの?勘弁してくださいよ」とおっしゃる。仕方ない。こんなものしか畑で獲れないし、こうした調理法が簡単でしかも野菜が捌けるのだ。
そんなこんなで、今では、これらのタッパーの副菜類を食べ終わって、タッパーが空になっるという瞬間が、なんとなくほっとして嬉しい気持ちになってしまった今日この頃である。 2022年1月29日 記