ブログ・エッセイ


NEW!! 一庭啓二伝、満洲、旅順、古い写真、整理、目録

一庭啓二の伝記、おおむね出来たことにして出版社に送った。「おおむね」出来たというのは、コロナの影響で、資料の確認や写真の撮影に出づらくなったことから、まだ一、二、懸案が残ってしまっているからである。とはいえ、いつまでも持っているのも嫌で、あとは校正のあいだに追加修正しようと、送ってしまったのであった。
版元に送った原稿は、図版を入れた本文のほかに、一庭の家に残されてきた文書の目録も含まれている。そしてこの目録には、蒸気船造船関連の文書や、旧藩・新県と一庭との債権債務関係の文書の一部につき、全文を翻刻掲載したこともあって、けっこう大部の本になりそうである。
ただ、本の大きさをB5判にするかA4にするかといった、造本の基本的なことも決まってなくて、それはこれから版元の編集担当者と相談するということになる。ともあれ、一庭の伝記を書く作業はこれでひとまず終わったことにした。終わったといってもまだまだ校正という大仕事が残っている。それでも、わたしにとっての「大きな仕事」はこれで終了だ。ほっとした一面、いくぶん寂しくもある。
奥方からは、気が緩んだり目標を失うとボケたり呆けたりするから、次にやる事を早急に定めないといけないと厳しくいわれている。まあ、幸か不幸か、やるべきことはいっぱいあるから、時間を持て余すことはまずないだろう。問題は、どの作業をどの順番でやっていったら楽しくやっていけるか、ということだ。
そこで少し考えてみたのだが、これまで勉強のために収集してきた、満洲を中心とする古いはがき写真の目録を作るのはどうだろうかな。素人の撮影だが写真をカメラで撮って、それに見出しと簡単な説明を付けるという簡単なものだ。写真に番号を振っていけば、簡単な目録になるだろう。ただ、なにか物しようと考えているわけではない。古い写真を処分するに忍びないし、簡単にでも整理しておけば、どこかの図書館で受け入れてくれるかもしれないと、歯切れのわるい終活の一環というわけなのだ。
そう思い付いて、昨日「旅順編」から取りかかってみた。写真は、満洲の文化機関や官庁の建物、公園などが主なものだ。以前にこれらの写真を使って、資料展示図録『満洲の図書館』『終戦時新京蔵書の行方』を編集刊行したことがあるから、説明文を書くにもそんなに負担はない。写真を撮影するのが下手くそなので、これがちょっと心配だが、まあ現物が手元にあるわけだから、概要が分かればそれでいいことにしよう。都市ごとに出来当たったものから、ホームページに出していくことにしようと考えている。 2020年9月9日 記