ブログ・エッセイ


NEW!! 畑、腰痛、定年後、生活設計

いま三人で借りている畑、来年度継続の雲行きが危うくなってきた。
もう15年ほど前になるが、定年後を家庭菜園で楽しもうと、気の合った友人4人で話し合って、家から歩いて20分ほどのところに畑を借りた。160坪ほどの農地だ。だが、そのうちの一人が60歳の定年を過ぎて2,3年たったころ、急逝してしまった。これからだというときに、まことに想定外のことだったが、その時には、亡くなった友人の分を三人で分けて、分担し、ここまで何とかやってきた。
ところが昨年初秋だったか、三人のうちの一人が、ひどい脊椎管狭窄症で歩けなくなってしまった。だが山男のかれは、持ち前の頑張りで、京都の整形外科まで通い、そこで指導を受けた体操に励み、一日の多くの時間をそれに充てて、なんとか歩けるまでに回復した。そして少しずつだが、畑の作業もし始めたのだった。
しかしながら畑作業をすると、翌日から数日間、ひどく痛むのだそうだ。そんなこともあって、かれの持ち分の畑はこの夏、草ぼうぼうで終えた。得意のピーナツカボチャだけは、この草の勢いに伍して実を付け、多くの収穫を得た。
かれは、腰をだましだまし、草取りをして、秋に入ってようやく草の勢いも弱まり、雑草生え放題のひどい畑の状態からは脱することができた。そして来年4月からの新年度、畑を借りる契約を更新するか否かである。
畑の3人だが、件のかれは脊椎管狭窄症、もう一人はぎっくり腰を抱えている。そしてわたしはといえば、坐骨神経痛だ。いまは少し収まっているが、無理をすると左足にピリピリと電気が走る。この腰痛三人老人、顔を合わせたら、どうする?やめる?続ける?と思案投げ首の毎日であった。
家庭菜園は、定年後を過ごすための大きな柱であった。みな続けたいに決まっている。しかしながら、体がその強い思いについていかない。優柔不断にあれこれと話をしながら半年。この秋、白菜やキャベツの苗は植えた。大根の種も蒔いた。実はこれらは三月までに収穫ができるからである。
問題は、収穫が粘土を越えて、5,6月となる玉ねぎを植え付けるか、さらにまた、わたしの好物である豆類の種まきはどうするか、である。まことに、困った困ったコマドリ姉妹だ。
坐骨神経痛のわたしはといえば、自分の持ち分だけなら、畔の草刈りも含めてもうしばらくはいけそうだと思っている。ぎっくり腰持ちの友人も、もう少しやってもいいと言ってる。問題は狭窄症の友人だ。ある程度の地点まで回復はしたが、畑作業はなかなか厳しそうだ。さてどうするか。
まわりのみなさんは、菜園ですか、健康にいいですねとおっしゃる。しかしながら、作業自体は、腰やひざにとって決して良いとは言えない。40坪ほどもあるしなあ。歳も取ってしまったしなあ。
さてどうするか。この腰痛三人組は、来週にでも畑に集まって、最終決断をしようとしているのであった。
(2022年11月10日 記)