ブログ・エッセイ


NEW!! 夏野菜、不作、モロヘイヤ、ツルムラサキ、空心菜、ゴーヤ、

夏野菜がこの上なく不調だ。梅雨の長雨のせいもある。畑が連作障害で嫌地になっている可能性もある。もちろんわたしが下手だという要因も、根元的原初的に存在する。だが今年は、ことのほか、ひどい。
例年、ピーマンやしし唐を植えても、一か月余りで立ち枯れる。毎年毎年そうだし、畑仲間の苗も、早かれ遅かれ立ち枯れるから、これは多分、畑の地味が合わないのだろうと結論づけて納得している。
ところが今年は、トマトまでも、だ。実をつけるのだが、次々に落ちる。花が咲いても実がならない、ということはよくある。特に自分で種をまく実生の場合は、何本かに一本はそうなる。わたしたちの畑は、弱い苗を間引く、取り除く、という処置が、なかなかでき難い性格の畑であるので、ついついそうした苗ものこすから、それは理由がつく。だが、ことしは実も大きくなって、あとは赤くなるだけ、あとは日々の色付きを楽しむだけ、という段階で、腐って落ちる。これはショックだ。ぼたぼたと、音を立てて落ちるのだ。今年は、例年になくたくさんの苗を植え付けた。
しかも、ことしは茄子までもが不調だ。実をつけない、つけても先から腐っていく。例年だったら、今時分は、冷蔵庫が茄子でいっぱいになり、毎日毎日、煮びたしや炒め物を作り、毎日毎日それを食べていた。毎日こんな量の茄子を食べて、体は大丈夫かと心配になり、人間ドックの先生に真剣に尋ねたこともある。先生は、そんな思いがけず受けたこんな質問に戸惑い、答えに窮する。そんなわけで、茄子は早々に切り戻した。
わたしの畑で残った夏野菜のひとつは、オクラ。これもなんだか不調だ。だが、少しずつながら取れる。
そしてトウモロコシ。一番下の孫が喜んで食べるから、時期をずらせて作っている。実がなって収穫直前になると、慣例のように、カラスが食べにくる。ネットで防御するのだが、ちょっとした隙間から突っついて食べる。この間の夕方、今日はトウモロコシ、収穫時期だなと、勇んで畑に出かけると、案の定、二羽のカラスが食べてる。カラスは、「ここまで待ってよかったね、おいしいね」と楽しそうにおしゃべりしながら食べてる。そして畔を見ると、数個、すっかり食べつくした残骸が落ちている。まことにきれいに、また上手に食べている。大したもんだ。こんなにきれいに全部食べてくれるなら、まあ許してやろう、とそんな気にもなってくる。
こうして今年の夏野菜は、不作不調に終わりそうだ。そうなると、最後に残るのは、モロヘイヤ、ツルムラサキ、空心菜、「夏負け予防三種の神器」とわたしが勝手に名付けているねばねば系の葉っぱだ。モロヘイヤはお焼、ツルムラサキはお浸しかてんぷら、空心菜は炒め物が定番だ。菜園をやっていると、なかなか野菜は買えないから、不自由だが仕方ない。トマトがなくても夏はしのげる。茄子がなくても何とかなる。
そうだ思い出した。もう一つ、ゴーヤがあるではないか。昨年のゴーヤの実が落ちて、勝手に地生えしてきたものだ。本日夕方出かけたら、このゴーヤ様に肥料をたっぷり差し上げて、よろしく頼むとお願いすることにしよう。そして、モロヘイヤ様、ツルムラサキ様、空心菜様のお三人様にも、液肥をたっぷり進呈して、よくよくご依頼申し上げることにしよう。 2020年7月20日 記